自己抗体対応抗原タンパク質のプロテオミクス手法を用いた解析試料の調製 平成15年度は自己抗体対応抗原タンパク質の解析のための基礎検討を行った。まず、抗核抗体の検出に用いられるHEP2細胞の核タンパク成分と細胞質成分を抽出した。この抽出タンパクを二次元泳動を行いゲル上に核タンパクあるいは細胞成分をそれぞれ展開した。二次元泳動を行った際、細胞の培養条件、タンパク抽出方法のばらつきによりタンパク成分のスポット発現に再現性が認められなかった。このため至適条件設定を繰り返し行った。 分析機器の調整 タンパク抽出など試料の調整に並行して、細胞成分タンパク質や血清タンパクを用いてmatrix-assisted razor desorption ion化飛行時間型質量分析装置やelectrospray ion化四重極飛行時間型質量分析装置の調整を行った。血清タンパクについては血清アルブミンと血清IgGが2次元電気泳動時に巨大スポットを生じその他のスポットをマスクしたため、これらの除去を行う必要性が生じた。このため血清試料中のアルブミンとIgGをアルブミンIgG除去カラムにより除去し二次元電気泳動を行った。これらの結果から、血清・細胞蛋白質の二次元電気泳動でのスポット展開が行いうることが確認された。
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