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2004 年度 実績報告書

新生児期肺における脂質代謝機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15790562
研究機関大阪医科大学

研究代表者

金 漢錫  大阪医科大学, 医学部, 助手 (00351403)

キーワード新生児 / 発達生理学 / 脂質代謝 / 肺
研究概要

新生児期の肺における脂質代謝機構の解析は、新生児期に特有の肺機能の理解に重要である。特に肺サーファクタントや気管支粘液などでは脂質が重要な構成成分であるため、これらの脂質生成に関係する因子は特に需要であると考えられる。今回細胞内脂質輸送を促進するlipid-binding/transfer proteinファミリーに属するSuper natant factor (SPF)の新生児期での発現の変化を検討した。
(周産期肺におけるSPFタンパクの発現変化)
妊娠17日、19日、21日および生後1日、4日、7日、14日の胎児・新生児ラットを用いた。肺を摘出後、ホモジェナイゼーションを行い、遠心にて不可溶成分を取り除き、可溶成分をタンパク定量後SDS-PAGE(12%)を行った。ニトロセルロース膜にトランスファー後、抗SPF抗体にてimmunoblottingを行った。結果、胎児では肺でのSPF発現は比較的少量で、生後徐々に増加していた。生後約2週間にてadultレベルに達していた。
(周産期肺におけるSPF特異的RNAの発現変化)
上記と同じタイムポイントにてSPF-mRNAの発現の変化も検討した。SPF-mRNAはタンパクの発現パターンと同様に生後より徐々に発現量が増加していた。
SPFはいくつかの同族体の存在が知られている。今回比較的肺での発現量が多いSPF2を検討した。SPF2は現在まで、明らかなリガンドが明らかにはなっていないが、細気管支上皮に多く発現しており、粘液産生における役割が示唆されている。今回の検討より、生直前直後において大きな発現の変化は見られず、胎内から胎外への適応化には大きな役割を果たす可能性は認められなかった。しかし、気管支粘液は生直後よりも、加齢に伴ってその役割が増すものと考えられ、粘液産生機構への関与が支持された。今後、発現の調節機構についての検討を行い、生体内での機能解析を行っていく必要があると思われる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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