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2004 年度 実績報告書

アポトーシス誘導能を有するS100Cタンパク質の皮膚疾患における機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 15790582
研究機関川崎医科大学

研究代表者

牧野 英一  川崎医科大学, 医学部, 講師 (90314674)

キーワードS100C / A11 / Apoptosis / 細胞増殖 / p21 / ペプチド / Human cancer
研究概要

S100C/A11は細胞内でCa2+と結合することによりさまざまな生体機能を発揮するS100タンパク質ファミリーの一種であり、我々はS100C/A11が核内に移行することにより細胞増殖を抑制すること、生体内では皮膚、とくに表皮に強く発現していることをすでに確認していた。
S100C/A11の表皮内での発現パターンを免疫染色法にて検討したところ、細胞増殖の活発である基底層ではS100C/A11の核内局在はみとめられないが、増殖の停止した基底層直上から有棘層、顆粒層にかけてS100C/A11が核内に移行している像をみとめた。また皮膚有棘細胞癌の腫瘍細胞ではS100Cの核内局在が認められず、乾癬病変部においても多くの有棘細胞においてS100C/A11の核内局在が認められなかったことより表皮細胞の増殖・分化にS100C/A11の細胞内局在が深く関与していることが示唆された。これらの所見よりS100C/A11を人為的に核内へ導入することで腫瘍細胞の増殖を抑制できる可能性が想定された。そこで我々は105のアミノ酸より構成されるS100C/A11タンパク質をその二次構造をもとに6つのペプチドに断片化して、それぞれの細胞増殖抑制効果を検討してみたところ、N末の19個のアミノ酸よりなるペプチド(MAK19)に細胞増殖抑制効果を有することがわかった。TATというHIV由来のタンパク質と融合させることでMAK19を人為的に細胞質内、核内へと導入してみると、細胞増殖抑制のみでなく細胞死を誘導することを見い出した。さらにMAK19により誘導される細胞死の詳細を検討してみたところ、処理後3時間でアポトーシスのマーカーのひとつであるアネキシンVの発現がみられ、処理後20〜40時間で巨大DNA断片化がみられたことより、MAK19のもつアポトーシス誘導能が証明された。さらにMAK19により誘導されたアポトーシスの分子的な機序を解析したところ、カスパーゼ非依存性、p21,p53にも非依存性であるがAIFとの関連性を示唆するデータが得られた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Introduction of an N-terminal peptide of S100C/A11 into human cells induces apoptotic cell death.2004

    • 著者名/発表者名
      Eiichi Makino, Masakiyo Sakaguchi, Keiji Iwatsuki, Nam-ho Huh.
    • 雑誌名

      Journal of Molecular Medicine 82

      ページ: 612-620

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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