研究概要 |
組織培養下でウイルスの複製および増殖に関する役割が不明な水痘-帯状疱疹ウイルス遺伝子-ORF29について、その遺伝子機能について検討している。組み替え操作の容易化のためスタンフォード大学のグループにより作成された、コスミドベクター、Fsp4(VZV:1-33211),Spe5(21875-40134),Pme19(53877-96188),Spe5(94208-124884)のうち、Spe5のORF29がコードされている部分を制限酵素NheIで制限酵素処理し、gel isolationにより12.5kbの断片を抽出した。また、プラスミドベクターであるbBR322を同様に、制限酵素NheIで制限酵素処理し、self ligationを防ぐためCIP処理後、Spe5から分離した12.5kbの遺伝子断片を制限酵素NheI部位に挿入した。挿入遺伝子の方向に関しては、制限酵素の切断パターンにて確認した。このようにして得られた、約16.5kbのサブクローニングベクターからVZV ORFP29を欠損させるため、平滑末端を作成する目的で、pfu-Polymeraseを用いたPCRにて、スタートコドンおよびストップコドンの前後に制限酵素NotIサイトを含んだプライマーを設計し、PCRによりスタートコドンの5'方向およびストップコドンの3'方向をPCRにて増幅しサイズを確認後、精製し、これらのPCR産物を確認するために、さらにこれらのPCR産物をTopo cloning vectorに挿入し、シークエンスにて確認した。適切な遺伝子配列を確認後、PCR産物は制限酵素NotIで制限酵素処理を行い、また、サブクローニングベクターもNotIで制限酵素処理を行い、これら、2つのPCR産物をTriple ligationにてサブクローニングベクターに組み込みなおしている過程である。
|