1.紫外線照射がヒトランゲルハンス様細胞のmembrane rufflingに与える影響 ヒトランゲルハンス様細胞をTRITC標識のphalloidinで染色し、細胞骨格であるF-アクチンの構築によりmembrane rufflingを評価した。紫外線非照射群細胞では約90%の細胞でmembrane rufflingが観察されたのに対し、紫外線照射群では約50%の細胞にのみmembrane rufflingが観察され、紫外線照射によりヒトランゲルハンス様細胞のmembrane rufflingが抑制されることが証明された。membrane rufflingが抑制されることで、外来抗原物質の取り込み能が抑制され、このことが紫外線による免疫抑制に関与すると考えた。 2.紫外線照射がヒトランゲルハンス様細胞のレセプターに与える影響 抗原取り込みに関与しているFcγレセプターおよびマンノースレセプターを抗モノクローナル抗体を用いて染色し、紫外線照射により発現に変化が見られるかをフローサイトメトリーで検討した。紫外線非照射群細胞と比較して、紫外線照射群ではFcγレセプターの発現が有意に低下していた。紫外線によりFcγレセプター発現が低下することにより外来抗原物質の認識が抑制され、このことが紫外線による免疫抑制に関与すると考えた。なお、マンノースレセプターに関しては、紫外線非照射群、照射群細胞ともほとんど発現しておらず、両群での有意差も認められなかったため、今回、紫外線による影響は評価できなかった。
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