研究概要 |
英国研究施設(Genetic Skin Disease Group, St John's Institute of Dermatology, The Guy's, King's College and St Thomas' Hospitals' Medical School, London, UK : Prof.John A McGrath)との共同研究により常染色体劣性遺伝を示す角化症の1つであるPeeling skin Syndromeの遺伝子連鎖解析および責任遺伝子の同定を目的として本研究を進めている。平成15年度は、同疾患の家系より得られたゲノムDNAサンプルを英国より入手し、高頻度マイクロサテライト多型マーカーを用いた解析を行ってき。マーカーはヒトゲノム上におよそ100kbp毎に配列するものを使用し、1から22番染色体までを調査した。その結果、疾患表現型とマイクロサテライト型との間に有意な相関をした領域は得られなかった。今後は50kbp毎に配列するマーカーを用いて全ての染色体を再調査する予定である。また、我々は同英国研究施設共同で行った遺伝子連鎖解析により、常染色体性劣性遺伝を示す皮膚粘膜ヒアリノーシス(lipoid proteinosis)の原因遺伝子がextracellular matrix protein 1(ECM1)遺伝子であることを先に報告したが、さらなる症例について変異を同定しており,これらの結果についても報告を行った。さらに単純型表皮水疱症を中心とした各種遺伝性皮膚疾患についてもその変異同定を行っており、その一部を報告した。
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