核とミトコンドリア移行シグナル配列を持つ2種のratiometric-Pericam(カルシウム濃度依存的に吸収波長が変化する蛍光蛋白質でカルシウム濃度の定量が可能であり、この細胞で細胞質とミトコンドリアのカルシウム濃度が別々に測定できる)cDNAをLipofect AMINE PLUS (Invitrogen)を用いてミトコンドリア遺伝子が破壊されたρ^0206細胞(Osteosarcomaのcell lineである143B.TK^-由来細胞を数ヶ月間、低濃度のエチジウムブロマイド存在下で培養するとなる)に共発現させた。これらの蛋白質を恒常的に発現させるためにこの細胞をgeneticin入りの選択培地で2週間、selectionを行い、核とミトコンドリアの両方で蛍光を発している細胞を回収した。 3省合同のゲノム倫理指針対応の理化学研究所・脳科学総合研究センターにおける倫理委員会承認のもと、双極牲障害患者及び正常被験者に口頭及び書面にて研究の意義、方法を十分に説明し、同意を得た上で末梢血を採取した。これらの血液から血小板を分離し、上記の細胞とポリエチレングリコール存在下で融合させ、ハイブリッド細胞(サイブリッド)を作成した。 いくつかのサンプルで、カルシウムレシオイメージングシステム(当研究室現有)を用いて、ヒスタミン刺激性のミトコンドリア内及び細胞質内カルシウム濃度の測定系を確立した。引き続き、残りのサンプルについてヒスタミン刺激性のミトコンドリア内及び細胞質内カルシウム濃度を測定し、タイムラプス画像解析を行っていく予定である。
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