研究概要 |
MR Angiography(MRA)で非侵襲的に得られた脳血管のvolume dataを用いて,脳動脈癌の自動検出を試みた。 対象として,1.5TのMRI装置で撮像されたMRAのdataを用い,これをPC上に転送して処理を行った。PC上で動作する画像解析プログラムでMRA dataの特徴を解析し,血管の自動抽出および特徴量解析を行うプログラムを独自に開発した。血管の自動抽出は,閾値処理や接続要素解析の手法を組み合わせて行い,今回用いた症例では全例で自動抽出に成功することができた。さらに,正常血管と動脈瘤で異なると期待される曲率情報を特徴量として用い,抽出された血管に対して特徴量の計算を行うことで,動脈瘤の候補を検出することができた。最終的に,検出した動脈瘤候補に色付けした3D表示を行い,視覚的に確認することも可能とした。 今回用いた症例では,false positiveも含めて全ての動脈瘤を検出することが可能であった。また,全例でtrue positiveがfalse positiveよりも体積の大きい候補として検出された。動脈瘤・非動脈瘤症例を合わせて行ったFROC解析では,全ての動脈瘤を検出可能な条件下で症例毎のfalse positiveが2個弱という結果であった。処理の最適化により,非常に高速(30秒前後)に上記の処理を行うプログラムを開発することができた。 この内容については,第31回日本磁気共鳴医学会大会にて報告を行った。
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