脳血流シンチ併用内頚動脈バルーン閉塞試験による内頚動脈結紮術術前安余評価の確立として、血管造影に併用して核種を使用するにあたり当院では血管造影室の設備基準のクリアや核種取り扱いにおける取り扱いマニュアル作成、リ久クマネージメントの作成、放射線安全委員会における承認などの前準備を進めてきた。このような検査周囲環境の確立に若干の時間を要し、臨床例の集積開始が遅延したため、現在症例はごく少数である。しかし貴重な情報をえている。当初核種はその利便性や諸事情からECDを使用することを検討しておりこれは文献的にも報告はあるが、薬剤特性からより検査目的にあったHM-PAOを使用することに決定した。このため臨床例での脳血流検査の結果では臨床に十分評価可能な画像が得られている。ただし検討項目としていたe-ZISソフトによる標準脳を利用した解析は断念せざるを得なかった。また脳血流の定量化もこれはECDも同様であるが現実問題として困難といわざるを得ない。この問題は術前脳血流シンチを基準とすることで主たる問題を回避することとし、その他の検査結果とあわせて評価することで脳血流シンチの評価を確立していく方向とする。この他初期経験として多くの問題に遭遇したが、ほとんどの事象は解決可能であった。今後はこれまでの初期経験を生かして臨床例の集積をしデータを解析していく。初期経験例は学会に初期経験例として報告できるよう現在検討中である。
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