研究概要 |
(1)昨年度に教室で購入したOPTICON^<TM>とFastPrep^<TM>を使用して、新規11マーカー遺伝子(TFF1,FABP1,CK20,Tff2,MUC2,MASPIN,GW112,PRSS4,MDK,SOX9,CDX1)とCEAを標的としたreal-time RT-PCRの環境を整えた。Syber Green^<TM>よる非特異的蛍光プローブでは、primer dimerによる偽陽性の混入が非常に多く、そのままでは使用に耐えなかった。これに対しては、primerのデザインを変更することと、更にmelting curve解析を加えて、解析可能となった。病理学的に転移陽性であったリンパ節16個を対象とした検討では、単一マーヵーとしてはCEA,CK20の感度が高く(ほぼ100%)、新規マーカーではTFF1,FABP1,TFF2,MASPINが感度が高かった(約90〜80%)が、CEAとCK20を超えるものはなかった。複合判定法の有用性の検討には、更に多くのpositive controlでの検討が必要である。 (2)血液中の微小転移検出は、培養細胞COLM2を用いて、real-time RT-PCR法での検出法を確立中である。検出系がもう一息で確立される見込みで、その後早期癌症例での血液中微小転移の検出のstepに移る。 (3)今後、微小転移の検出結果は免疫組織染色での検出感度と比較していく予定である。免疫染色での結果判定は肉眼で行っていたが、結果が恣意的になりやすいこと、定量的でないこと、の問題があった。プラネトロン^<TM>を参考に、ユンピューターによる自動解析プログラムを作成し、免疫染色の結果判定に用いる。ほぼプログラムは完成したが、実用に耐えうるレベルまでの診断能に上げるべく、修正中である。 (4)早期癌症例でのリンパ節を鋭意収集中である。
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