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2004 年度 実績報告書

細胞周期からみた肝細胞癌の多段階発癌に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15790717
研究機関香川大学

研究代表者

谷内田 真一  香川大学, 医学部, 助手 (20359920)

キーワード肝細胞癌 / 多段階発癌 / 細胞周期シグナル / 免疫組織化学
研究概要

香川大学医学部附属病院ならびに慶応義塾大学医学部附属病院で手術をおこなった肝細胞癌症例(合計:約140病変)のプレパラートを,慶応義塾大学医学部病理学教室坂元亨宇教授の協力を得て,光学顕微鏡で再評価した.その結果,通常の肝癌結節(古典的肝細胞癌)とは別に,早期肝細胞癌を14例,腺腫様過形成を7例,すその病変を15例拾い出した.その他に,早期肝細胞癌内部により分化の劣る癌組織が境界明瞭,膨張性に存在する"結節内結節"病変を7例見出した.通常の肝癌結節(古典的肝細胞癌)とこれらの前癌病変に対して,様々な細胞周期シグナルの発現を,免疫組織化学染色法を用いて検討した.
細胞周期シグナルのうち,細胞の非増殖性と最も強い相関があるとされるp27は,通常の古典的肝細胞癌と同様に,腺腫様過形成,早期肝細胞癌でもすでに高い核陽性反応を認めた.p27の高発現している腺腫様過形成や早期肝細胞癌では,P27を核外移行し分解促進するJab-1(Jun activation domain-binding protein 1)の高発現も認めた.つまり肝細胞癌の発癌初期の段階で,p27と関連する細胞周期シグナルの変化があることが,今回の研究で初めて認められた.一方で低分化型肝細胞癌ではp27の発現が低下し,p27を分解制御するユビキチンリガーゼであるSkp 2(S-phase kinase-associated protein 2)の過剰発現を認めた.
肝細胞癌の発癌においては,p27を中心とした細胞周期シグナルが発癌,脱分化の過程でダイナミックに変化し,さらにp27は肝細胞癌の前癌病変の診断学的マーカーとなりうる可能性が示唆された.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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