本研究の目的は腹腔鏡下手術の利点について、手術侵襲度を中心とした客観的な評価を行うことである、大腸癌に対する腹腔鏡下手術後の侵襲度を評価するため、炎症反応を反映するパラメーターを検討した。白血球や炎症反応性蛋白の値に加えて、炎症性サイトカインの測定を行った。さらに手術侵襲度を反映すると考えられる、末梢血リンパ球についても検討した。リンパ球については、リンパ球アポトーシスの程度について測定し、比較を行った。 上記のパラメーターを、術後経時的に採取した末梢血より測定した。大腸癌に対する手術のみならず、他の手術術式についても検討し、比較した。 現在の検討では、炎症反応所見は腹腔鏡手術において、他の手術との統計学的有意差は認めていない。リンパ球アポトーシスに関しても、腹腔鏡下大腸癌手術と他の手術術式において差を認めていない。症例数がまだ少なく、今後検討症例の蓄積が必要であると考えている。
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