臨床研究:10症例を目標に治療をradiosurgery同一プロトコール(ターゲットは下垂体-下垂体柄移行部とし、直径8mmの照射コリメターを用い最大線量160-180Gyで照射している)にて行ってきた。現在まで11症例について治療が行われた。術前後およびその後も定期的にMRI/MRSを可能な症例で行っている(まだPETによる評価はできていない)。フォローアップが短期であるため確実なことは言えないが、全例で効果は即効性であり内分泌学的欠落症状は認めていない。次年度にデータ・臨床成績含めた解析を行う。 基礎研究:10匹のラットに対し、ガンマナイフによる線条体照射を行った。照射後6ヶ月間のドパミン作動薬投与による回旋運動解析を中心としたラットの行動解析を行っている。 【radiosurgery照射前コントロール】 全ラットに対して照射前に24時間の赤外線検出装置にて自由行動解析を行った。 【片側線状体にガンマナイフ照射を施行する】 バルビツレート麻酔下にガンマナイフ専用フレームにラットを固定。その後、MRIを特殊コイル下にて行った。ガンマナイフ専用コンピュータへ画像データを転送。照射ターゲットを正確に定め、0.1mm単位での詳細な線量計画を高線量(150Gy)で照射した。 【照射後の線状体ドパミン活性スクリーニングとしての回旋行動観察】 片側線条体にガンマ線照射後、1週から24週まで、ドパミンagonistを投与して、照射前の行動と比較して変化を観察している。 現在まで確認できている5匹のラットに関して、4週目までは行動上の異常を認めないが、5週目以降に照射側に一致した回旋行動が認められるようになった。病理組織切片にも照射部位に一致して壊死像が認められている。さらに照射部位の適否を詳細に検討した後、壊死を伴わない程度の低線量でも同様の効果(正常中枢神経系に対する機能的変化)がもたらされるか否かが次年度への課題となる。
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