研究課題
1.筋張力と筋の走行の定量的な解析が可能な患者個別の四次元骨格・骨格筋モデルの構築昨年度までに、CT画像からの骨領域のセグメンテーションおよび骨格形状モデルの作製、股関節周辺筋の起始・停止位置に基づく筋肉モデルの作製方法の開発を行った。また、実際に股関節の駆動に関係する7つの筋肉および筋肉群のモデルを構築し、動作時における各筋肉の筋肉長の変化をグラフ化することが可能なシステムの開発を行った。本年度は、開発した患者個別の四次元骨格筋モデルを日常臨床の現場で使用可能とするため、モデル構築に要する時間の短縮、および医師による評価を行った。この結果、股関節周辺の筋の形状・走行を含めた解剖学的構造を熟知した医師が作業を行うことで、CT撮影後約2時間程度でモデル構築が可能となり、また構築した筋モデルの走行、伸縮方向に関しても、実際の筋肉の伸縮に近い形でのシミュレーションが可能となったとの医師による評価を受けた。2.リアルタイム動作計測を用いた股関節脱臼予測システムの開発開発した四次元骨格・骨格筋モデルを用いてよりわかりやすく患者に対する動作指導を行うため、モーションキャプチャをリアルタイムで行い、母者の動作中にその場で股関節周辺の骨格や骨格筋の駆動状況を提示できるシステムを開発した。また、患者の内部構造を左右反転して表示する機能を作製することで、患者は鏡を見ているかのように自身の内部構造の駆動状況を観察することが可能となった。3.筋モデルにより推定される筋張力の検証のための骨頭圧力分布計測システムの開発昨年度までに基本仕様を決定した骨頭型圧力センサを含む骨頭圧力分布計測システムの術場での試用を行った。また、この際術中の様々な操作によりセンサの破損が頻繁に生じたため、センサの耐衝撃性および防水性を向上させるための構造的な改良も行った。
すべて 2004 その他
すべて 雑誌論文 (4件)
日本コンピュータ外科学会誌 6巻1号
ページ: 13-21
International Congress Series vol.1268C
ページ: 591-596
Journal of Orthopaedic Research 22巻3号
ページ: 665-670
Journal of Biomechanics (印刷中)