研究概要 |
以下の研究ではvirusコントロールとしてLacZを細胞に導入し比較検討を行っている。前年度までに骨肉腫細胞のSaos-2にp21の遺伝子を強制発現することに成功した。これをRT-PCR法にて遺伝子の導入が成功していることを確認し、western blotting法にて実際にタンパク質を発現している事を確認した。そしてこのp21を強制発現させた細胞がどのような特徴を持っているか確認してきた。まず細胞の増殖性について検討した。p21を強制発現したものでは増殖抑制が起こっていた。これはコントロール群と比較して3、5,7日間培養した細胞数のカウントで実際に確認した。さらにMTT assayでも増殖抑制が3日目からすでに起こり始めるこことを確認できた。細胞周期が停止して増殖能が停止しているかは、FACCcanで測定した。p21を強制発現させるとコントロール群ではG2期に移行していき増殖能が停止していなかったが明らかに強制発現した細胞は、G1期にて停止することを確認した。この停止において腫瘍細胞が正常細胞に分化しているかを検討した。分化においては、7日間培養した培養細胞上清を採取し骨形成蛋白であるPICP(carboxy-terminal propeptide of type I procollagen)の定量(ELISA法)、osteocalcinの定量(ELISA法)を行った。強制発現した群では、これらの蛋白の増殖能が亢進していることを確認した。
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