心筋虚血再灌流時に心臓刺激伝導系障害と心室収縮性の協調関係について検討を行っている。体外循環を用いる心臓手術症例において、心臓刺激伝導系障害および協調性心室収縮障害の時空的解析を行うための、データ取得および解析装置の開発を行った。 1.経食道心臓超音波装置のアナログ出力を30fpsにてデジタル情報への変換し、手術室内での記録保存するために携帯性を重視した装置を開発に取り組んでいる(LabView、IMAM、PCI-6020E、PCI拡張ボックス使用)。 2.心臓動画像情報と多系列のアナログ圧情報および体表心臓電気活動、経食道心房心室電の記録に取り組んでいる。今後、画像情報(30fps)とアナログ情報(1kHz)採取時における同期問題を解決し、多次元情報の解析を行いたい。 3.心室細動時における体表心電図の周波数解析を行い、除細動成功時と不成功時におけるピーク周波数とそのパワー解析を行っている。心室細動時には個々の心筋細胞はケイオス的な興奮を行い、この評価のために今後フラクタル解析を含め検討したい。 体外循環前後における経食道心臓超音波検査において、超音波造影剤(レボビスト)使用による心筋血流分布解析を行ったが現時点では超音波パルスによるバブルの維持が困難であること、造影効果が予想以上に薄いことから経時的画像解析が困難であることが判明した。今後、心節血流評価を左右冠動脈開口部における血流速度計測し、心筋灌流の指標とし評価する。 今後、さらに臨床症例を重ね、体外循環離脱前に心機能を予測できることを目標とする。
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