研究実施計画ではその実験モデルとしてfemale Yucatan micro pigを使用する予定であったが、アメリカからの検疫の問題等で費用が非常に高価なものになるため、国内での生産が行われているClawn mini pigを使用することとした。その実験用pigの選定に時間をかけてしまったために、その購入が大変遅れることとなった。そのために、現時点までの研究実績として報告できることは、4頭の8ヶ月female Clawn mini pigを購入し、使用予定であったYucatan micro pigと同様に無菌尿であることを検尿検査で確認したこと、また、自然発症の膀胱尿管逆流症がないことをX線検査である膀胱造影検査でそれぞれ確認したことのみである。ただし、今後16年度には、15年度に行う予定であった片側低圧膀胱尿管逆流症モデルの作成を行う予定である。その方法として、Yucatan micro pigを用いた実施計画に基づき作成を予定している。概略は麻酔下に尿道から小児用内尿道切開刀を挿入し片側の尿管口の12時方向を切開unroofingを行い、粘膜下トンネルを破壊しその膀胱尿管逆流防止システムを破綻させる。片側低圧膀胱尿管逆流症の発生の確認は、手術前と同様に膀胱造影検査で確認する。その後、尿検査、X線検査、腎シンチグラム(RI)を用いた検査で、腎機能の評価、腎障害の程度評価を行い、その経時的変化を観察する予定である。
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