平成16年度の研究実施計画としては、平成15年度に変更して購入することになったClawn mini pigを用いて、片側低圧膀胱尿管逆流症モデルを作成することにあった。15年度の段階ではその自然発症の膀胱尿管逆流症がないことが確認されていた。当初予定したYukatan micro pigの計画に準じて膀胱尿管逆流症を発症させることを施行。具体的には麻酔下に小児用内尿道切開刀を用いて片側の尿管口のunroofingを行った。しかし、膀胱尿管逆流の発症を確認できなかった。当初の予定を大幅に遅れているが、現時点で確認できているのは、このClawn mini pigを用いて膀胱尿管逆流症モデルを作成するためには、当初の計画の尿管口の12時方向だけのunroofingだけでは不十分であったと考えられた。その後、尿管口そのものを電気メスを用いてresectすることで膀胱尿管逆流症を得られることがようやく判明した。また、その後unroofingだけでも十分な長さを切開することで膀胱尿管逆流が得られることも判明した。今回初めての手技のため、その技術の確立は困難でモデルの作成が得られるようになるまでにかなりの時間を費やしてしまった。そのため、Clawn mini pigが成長してしまいモデルとしては不適当であることと、片側だけの膀胱尿管逆流モデル作成ができなかったため、平成17年度に改めて、8ヶ月のClawn mini pigを用いて、モデルを作成し、16年度に予定していた経時的に腎機能腎障害を観察すること、摘出腎を用いてNOS、成長因子、エンドセリンの発現変化が検討できればと考えている。
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