本研究目的である、FDGの集積が卵巣腫瘍のどのような性質を反映するのかを、細胞病理学的に明らかにした。具体的には、FDGの集積と、病理組織像、腫瘍細胞密度、細胞増殖能、血管新生、細胞膜グルコーストランスポーターとの関連を解析した。以下の新たな知見を得た。 1.FDGの集積と腫瘍マーカー(CA-125)、臨床進行期は、相関せず。 2.FDGの集積と細胞分化度、細胞密度、細胞増殖能、細胞膜グルコーストランスポーターの発現と相関した。 3.FDGの集積と細胞膜グルコーストランスポーターの発現が、回帰分析したところ独立した強い相関を認めた。 4.卵巣癌において細胞膜グルコーストランスポーターの発現と予後に相関があるという報告がある。 以上の結果より、FDGの集積は卵巣癌の予後と相関する可能性が示唆された。それにより、これまでの卵巣癌の術前の予後指標としていた腫瘍マーカー(CA-125)や臨床進行期とは違うマーカーとしてPET検査が利用できる可能性を示す事が出来た。 現在、論文投稿中。
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