研究概要 |
切迫早産動物モデル(ラビット)を用いた実験系 動物実験管理委員会の承認の下(既取得)、ラビット切迫早産動物モデル(New Zealand White Rabbitの頚管内に直径5mmのfiber scopeを用いて細菌を直接投与し、早産予防薬として臨床応用の可能性について更に具体的に検討。実際には妊娠ラビットに対しE.coliを用いて頚管炎及び絨毛膜羊膜炎を発生させ、そこへNatural AntibioticsでありPrebioticsのひとつであるラクトフェリン(特にrecombinant human Lactoferrin:rh-LF)を各種条件下で投与し、その有効性の確認および評価を行った。【方法】(1)妊娠継続期間の比較、(2)投与された細菌数の推移、(3)血中、羊水および頚管粘液中のサイトカインを含めた早産マーカーの比較。また病理学的にも検討を加えた。【結果】(1)rh-LF投与による妊娠期間の延長が認められた。(2)及び(3)については(1)rh-LF投与による炎症性サイトカインの産生抑制効果が認められた。母獣の子宮及び卵膜での炎症の程度、胎児の脳におけるアポトーシスの発現等についても現在検討中である。以上より、ラクトフェリンの早産予防に対する臨床応用の可能性が示された。 以上の結果は、第56回日本産科婦人科学会学術集会(平成16年4月、東京)、The Fetus as a Patient 2004,XX International Congress(平成16年4月、Fukuoka)、第40回日本周産期・新生児学会学術集会(平成16年7月、東京)、第1回Lactoferrinフォーラム(平成16年10月、東京)、Society for Maternal-Fetal Medicine, 25th Annual meeting(平成17年2月、Nevada,USA)等に発表。その他、現在学術雑誌に数点投稿し、他にも投稿準備中。
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