AZOOR (acute zonal occult outer retinopathy)は1993年にGassにより提唱された新しい疾患概念で、単一疾患ではなく、その中にはAIBSE (acute idiopathic blind spot enlargement syndrome)、MEWDS (multiple evanescent white dot syndrome)、AMN (acute macular neuropathy)やpseudo-POHS (pseudo presumed ocular histoplasmosis)といった疾患が含まれるといわれる(J Clin Neuro-ophthalmol 1993)。その臨床像は非常に多種多様であることが示されており、原因については不明なままである。また診断に網膜電図(ERG)が有用であるといわれているが、その詳細な定量的解析の報告はない。 平成15年度我々は、当科においてAZOORと診断された症例を全て整理し、従来のfun-field ERGと最近開発された多局所ERGの2つの方法における結果を解析し、AZOORの診断における両者の有用性を比較した。その結果約80%の症例は従来の網膜全視野刺激型ERGで診断できると考えられたが、残りの症例については、多局所ERGのような特別な方法が必要であることがわかった。 さらに、本研究課題の目的の1つである日本人における本疾患の臨床像の確立、および本症の予後について調査した。これまでAZOORの視力や視野といった臨床的な予後は比較的良好であるとされていたが、我々の長期経過の研究では約60%の症例が不変であり、約20%は改善、約20%は悪化するという結果が得られた。
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