1.急性単離ラット網膜神経節細胞のCa電流の同定・観察 実験数日前に幼若ラットで逆行性染色により網膜神経節細胞を蛍光色素で標識した。摘出した眼球から網膜を取り出し、細片とした後、酵素処理及び機械的に網膜神経節細胞を単離した。この時得られた網膜神経節細胞を含む浮遊液をチャンバーに移し、Naチャネル阻害剤とKチャネル阻害剤を含み95%酸素・5%二酸化炭素で飽和した細胞外液で潅流した。紫外線の短期間励起により蛍光色素で標識された網膜神経節細胞を水侵レンズで観察・同定した。同定された網膜神経節細胞で、内液にKチャネル阻害剤を含む微小ガラス管電極をwhole-cell patch clampを行った。-90mVに電圧固定して15mVステップで45mVまでのコマンド電圧により電位依存性Ca電流を(静止電流を電圧固定法で)測定した。(電位負荷により網膜神経節細胞の電位依存性Ca電流を測定した。) 2.電位依存性Ca電流に対するプロスタグランジン製剤(プロスタグランジンF2α)の効果観察 細胞外液にプロスタグランジンF2αを「薬剤投与システム」により投与して、Ca電流の変化を観察した。2μMプロスタグランジンF2αはCa電流を17%可逆的に抑制した。また投与した0.3-5μMの間で濃度依存的にCa電流抑制効果を示すことを確認した。
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