1.電位依存性Ca電流に対するプロスタグランディン製剤(プロスタグランディンF2α)の抑制効果の濃度依存性と電圧依存性の検討 上丘へ注入したLucifer yellowの逆行性標識により同定したラット単離網膜神経節細胞の電位依存性Ca電流に対するプロスタグランディンF2αによる阻害効果の濃度依存性を「薬剤投与システム」により解析した。0.2μM、0.5μM、1μM、2μM、5μM濃度でのプロスタグランディンF2αによるCa電流阻害率を定量的に解析した結果、この50%抑制効果濃度は0.69μMであった。またこの抑制効果には電位依存性が無い事を明らかにした。 2.遅延整流性K電流に対するプロスタグランディンF2αの抑制効果 電気生理学的並びに薬理学的に同定した遅延整流性K電流を0.5μMから2μMプロスタグランディンF2αは24%から31%と濃度依存的に抑制した。またこれに伴って遅延整流性Kチャネルのコンダクタンスは12.2nSから8.0nSに低下した。これらの抑制効果には電位依存性は認められなかった。 3.低酸素により誘発される内向き流のプロスタグランディンF2αによる抑制効果 細胞外液を100%酸素で飽和した溶液から99%窒素で飽和した溶液に置換すると、単離した網膜神経節細胞で内向き流が誘発された。細胞外液に予めプロスタグランディンF2α(2μM)を投与しておくと窒素で飽和した細胞外液に置換しても内向き流は誘発されなかった。
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