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2004 年度 実績報告書

慢性電気刺激による網膜神経節細胞の長期生存・軸索再生

研究課題

研究課題/領域番号 15790985
研究機関大阪大学

研究代表者

三好 智満  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314309)

キーワード網膜神経節細胞 / 視神経再生 / 電気刺激 / 軸索切断 / 軸索再生 / 機能回復 / 末梢神経 / 神経移植
研究概要

軸索切断後の網膜神経節細胞(RGC)の生存と軸索再生が電気刺激によって促進できるかどうかを明らかにすることが本研究の目的である。
1)昨年度に引き続き、視神経切断直後の一過性の電気刺激によって、ネコRGCの1週間後の生存が促進可能かどうかについて調べた。RGCを予め逆行性標識しておき、切断直後にカフ型双極電極を装着し、持続時間300μsecのパルス刺激を20Hzで2時間加えた。一発のパルスの電流量は0(sham),0.5,1,3,5mAと変化させた。1週間後に網膜伸展標本上で生存細胞数を計数し、生存率を調べた。その結果、網膜全体にわたったRGCの生存率は、切断群の40.6%に対して3mAで75.5%と増加することがわかった。しかし、1mAでは網膜中心部だけには効果があるものの、網膜全体のRGCの生存率は、50.2%と有意な増加は見られなかった。
2)ネコ視神経を切断後、末梢神経を自家移植し、眼球側の視神経断端にカフ電極を設置した。カフ電極からの導線を、頭蓋骨上の小さな刺激装置に繋いだ。動物の行動をできるだけ抑制せずに意識下で慢性的に刺激するために、刺激コマンドを無線で頭蓋骨上の刺激装置に送り刺激した。毎日1時間の刺激を6週間行った後に、移植片の縫合部から2cm離れた部位に逆行性色素を注入したが、網膜上で標識された網膜神経節細胞は観察されなかった。これは、当初準備していた無線刺激装置の出力が最大約0.8mAと不足していたことに加え、連日の単相矩形波パルス刺激が、移植片そのものに障害を与えた可能性が考えられた。もし栄養因子の発現や感受性の増強が起こっているならば数日間は持続すると考えられることなどから、今後、3日おきなどの少し軽い電気刺激で再度検討する必要があると考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 視神経機能再生からみた中枢神経機能回復2005

    • 著者名/発表者名
      三好 智満
    • 雑誌名

      分子脳血管病学 4巻1号

      ページ: 32-37

  • [雑誌論文] 中枢神経系における軸索再生阻害因子研究の最近の動向2004

    • 著者名/発表者名
      三好 智満
    • 雑誌名

      神経眼科 21巻1号

      ページ: 37-40

  • [雑誌論文] Transcorneal electrical stimulation rescues axotomized retinal ganglion cells by activating endogenous retinal IGF-1 system.

    • 著者名/発表者名
      Morimoto T. et al.
    • 雑誌名

      Inv.Ophthalmol.Vis.Sci. (印刷中)

  • [図書] Attempts to restore visual function after optic nerve damage in adult mammals (In Brain Repair)2005

    • 著者名/発表者名
      Miyoshi T. et al.
    • 出版者
      Landes Bioscience(印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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