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2003 年度 実績報告書

角膜上皮幹細胞発生の由来に関する形態学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 15790992
研究機関山口大学

研究代表者

関 馨介  山口大学, 医学部, 客員助教授 (50318820)

キーワード角膜上皮 / 発生 / 免疫組織化学 / マウス
研究概要

本研究は、角膜上皮の発生分化機構ならびに角膜上皮幹細胞の発生学的由来の解明を目的としている。本年度は,発生過程での角膜上皮の分化様態を明らかにするため,マウスの胎生期から成体へ至る発生の諸段階における眼組織標本を作製し.特に発生過程で起こる眼瞼の融合および再開の過程と上皮分化の関わりについて着目し,免疫組織化学的解析を行った。
胎生期標本では、肺生12.5日に形成の始まった眼瞼が胎生17.5日に融合することが観察され、この眼瞼の融合と共に結膜、角膜.皮膚の各上皮は各々に特異的なkeratin(K)分子,即ちK4,K12,K10を発現する連続的な細胞層として観察された。眼瞼融合以前には、胎生14.5日にK4発現細胞,胎生16.5日にK12発現細胞が散在性に観察されたが、K10を発現する細胞は観察されなかった。これらの結果から,眼表面を構成する上皮組織は,結膜上皮,角膜上皮、眼瞼皮膚表皮の順に分化が始まり、胎生17.5日での上下眼瞼の融合に同期して各々連続的な上皮組織として分化を遂げることが明らかとなった。次に生後標本では,生後12日から14日にかけて開瞼が起こり,開瞼と同時に角膜上皮の厚さが顕著に増大することが観察された。更に電子顕微鏡的観察から、開瞼と同時に角膜上皮基底細胞から翼細胞,表層細胞への分化が起こることが明らかとなった。
以上の結果から,角膜上卑の分化には表皮外胚葉から角膜上皮へと分化する過程と,上皮を構成する各々の上皮細胞が分化する過程が存在し,各々の過程には眼瞼の融合と再開が密接に関わっていることが明らかとなった。今後は,上皮の分化過程における細胞接着装置や細胞外マトリックスの分布動態について検索すると共に、角膜上皮幹細胞の分子マーカーに関する検索を行い、角膜上皮の分化における諸因子の役割,角膜上皮幹細胞の形成過程について更に考察を深めたいと考えている。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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