ダブルミオグラフシステムを購入した。白色家兎をペントバルビタール過剰投与後、視神経をなるべく長く眼球側に残し、眼球摘出した。視神経から毛様体にいたる毛様動脈をさがし、摘出、結合組織を切り取り、なるべく血管のみにそぎ落とした。動脈を二分割し、ダブルミオグラフシステムに細いワイヤーを通して接合した。95%酸素、5%二酸化炭素にてインキュベートさせ、37度に温度を保ったKrebs液を満たした。静止状態において30分置き、安定させた後、高濃度塩化カリウム溶液と入れ替え、血管を収縮させた。その後、またKrebs液に換え、もう一度塩化カリウム溶液と入れ替え、血管を収縮させ、10μMカルバコールにより、収縮の抑制を確認し、血管内皮の存在の有無を確認した。 眼圧下降薬の一つであるNipradilolを静止させた毛様動脈に投与したが、1mMの濃度まで高濃度で投与したが明らかな血管弛緩は認められなかった。しかし、高濃度の塩化カリウム溶液による収縮は濃度依存性に抑制した。最大収縮を100%とすると、10μMでは90%、30μMでは80%、0.1mMでは75%65%0.3mMでは65%、1mMでは40%にそれぞれ抑制した。内因性一酸化窒素(NO)阻害薬である300μMのL-NAME投与により、Nipradilolの血管収縮抑制作用は滅弱されなかった。これらのことより、Nipradilolは内因性のNOを介することなく収縮を抑制することがわかった。
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