口腔領域に発症する自己免疫疾患(シェーグレン症候群、ペーチェット病、天疱瘡など)の多くは原因が不明であり、病因論に基づいた根本的治療法は確立されていない。シェーグレン症候群はドライアイ、ドライマウスを主徴とし、涙腺・唾液腺を標的臓器として発症する原因不明の自己免疫疾患とされ、関節リウマチ、SLE、間質性腎炎、間質性肺炎など多彩な全身症状を併発することが知られている。現在これらの難治性疾患の特異的診断法および治療法は確立されておらず、臨床・病理を含めた総合的な取り組みが必要とされている。本研究はシェーグレン症候群の特異的病因抗原成立の分子メカニズムを解明し、本症例の検体組織および末梢血を用いて免疫異常と病態形成との関連性について検討することを目的とする。現在までそのための材料収集とRNAの調整や組織ホモジネートの調整を実施し、アポトーシス関連タンパク、細胞増殖関連タンパクの発現をウエスタンブロット法および免疫組織化学的解析を行い、細胞周期関連タンパクの一部に患者サンプルにおいて対照と比較して強発現していることを確認した。
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