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2003 年度 実績報告書

分子シャペロン複合体による膜タンパク質の成熟化・分解への双方向性調節と選択機構―唾液腺に発現する嚢胞性線維症原因遺伝子(CFTR)をモデルとして―

研究課題

研究課題/領域番号 15791059
研究機関広島大学

研究代表者

杉田 誠  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50235884)

キーワードCFTR / 嚢胞性線維症 / シャペロン / MAPK
研究概要

本研究では嚢胞性線維症原因遺伝子(CFTR)をモデルとして、分子シャペロン複合体の構築素子が、いかにして膜タンパク質であるCFTRの成熟化と分解を、双方向性調節するか、その分子機構を解明することを目的とした。従来の研究でCFTRのRドメインがCFTRの成熟化・分解の制御に関与することが示唆され、Rドメインに接着する3種類の遺伝子(the CFTR R-domain Interacting Protein(CRIP): CRIP1,CRIP2,CRIP3)をクローニングした。CFTRは、CRIP遺伝子ファミリーの中で相同性の高いC末端領域に結合し、Zinc Ring FingerモチーフはCFTRとの結合に不可欠であることが、Zinc Ring Fingerへの点変異の導入による、結合能の欠失により明らかとなった。またCRIP遺伝子ファミリーは、シャペロン分子Hsc70と分子複合体を形成していること、およびCRIP遺伝子群でヘテロオリゴマーを形成していることが、CRIPとともに免疫沈降される分子の解析により明らかとなった。さらにCRIP遺伝子ファミリーとその変異体をCFTR発現細胞に過剰発現させた場合の、CFTRの生成量・分解速度の解析により、Zinc Ring Fingerを有するCRIPのC末端領域は、成熟型CFTRの生成に抑制的に働くこと、CRIPをER・Golgi体に強制的に局在させた場合には、それらの部位に限局するCFTRを選択的に分解すること、またCRIP遺伝子ファミリーはMAPKにより機能修飾され、成熟型CFTRの生成量・未熟型CFTRの分解速度を変化させることが明らかとなった。CRIP遺伝子ファミリーはHsc70を含む分子シャペロン複合体の構築素子として機能し、MAPKはCRIP遺伝子ファミリーの機能調節を通して、CFTRの成熟化と分解を可変的に制御することが示唆された。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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