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2004 年度 実績報告書

分子シャペロン複合体による膜タンパク質の成熟化・分解への双方向性調節と選択機構-唾液腺に発現する嚢胞性線維症原因遺伝子(CFTR)をモデルとして-

研究課題

研究課題/領域番号 15791059
研究機関広島大学

研究代表者

杉田 誠  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50235884)

キーワードCFTR / 膜タンパク質 / 嚢胞性線維症 / シャペロン / MAPK
研究概要

膜タンパク質であるCFTRの遺伝的機能不全症(嚢胞性線維症)は、全身性外分泌腺機能障害・呼吸器感染を誘発する致死率の高い疾患であるが、その多くは細胞膜上でチャネルとして機能すべきCFTRが、変異により、ERで正常なコンフォメーションをとれず、ユビキチン化され、分解されることに由来する。本研究では、分子シャペロン複合体がCFTRの成熟化と分解をいかにして調節するか、その分子機構を解明することを目的とした。従来の研究で、CFTRの成熟化にはMAPKにより機能制御される未知分子のCFTR・Rドメインへの結合が関与することが示唆され、Rドメインに接着する分子をスクリーニングし、3種類の遺伝子(the CFTR R-domain Interacting Protein (CRIP) : CRIP1,CRIP2,CRIP3)をクローニングした。CRIP遺伝子ファミリーは、相同性が高くZinc Ring Fingerを有するC末端領域で、CFTR・Rドメインに結合し、中央部でシャペロン分子Hsc70と結合する。CRIP1,CRIP2,CRIP3はMAPKによるリン酸化サイトを保有しており、活性型MAPKの発現レベルにより、タンパク質の安定性およびプロセシングのパターンが制御された。CRIPのN末端とC末端にそれぞれ異なる蛍光タンパク質(GFPとDsRed)を融合したトランスジーンを培養細胞に発現させ、生細胞内でのCRIPの挙動をタイムラプスイメージングにより観察すると、CRIPは主に核内に局在するが、一過的にCRIPのC末端領域のみが核から細胞質へ移行した。更にCRIPを強制的に細胞質もしくはERに局在させると、CFTRの発現量は低下し、分解が促進されることが示唆された。CRIPはC末端領域にZinc Ring Fingerモチーフを有するが、E3ユビキチンリガーゼとしては機能せず、逆に別のタンパク質(CHIP)によるCFTRのユビキチン化を抑制した。CRIPはMAPKによるリン酸化等により経時的に多段階に機能修飾され、一過的に、切断されたC末端が核から細胞質に移行し、ユビキチン化を介さない別経路で、CFTRの分解を引き起こすことが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Molecular dissection of butyrate action revealed the involvement of mitogen-activated protein kinase in cystic fibrosis transmembrane conductance regulator biogensis.2004

    • 著者名/発表者名
      Makoto sugita
    • 雑誌名

      Molecular Pharmacology 66

      ページ: 1248-1259

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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