研究概要 |
当大学口腔解剖学教室の研究者に本研究の研究予定内容を説明し、本研究で行う顎舌骨筋の剖出に際し、解剖学教室の研究施設の使用、研究材料である解剖体の提供、および研究を効率的におこなうための知識や技術の提供について承諾を得た。そして解剖体6体の顎顔面部を提供された。剖出後の顎舌骨筋部と比較するために、剖出前にそれらのCT撮像をし、得られた横断像を再構成し、2,3種類のスライス方向より、顎舌骨筋部の横断像および冠状断像を得た。それらの画像から顎舌骨筋部の不連続部とそれに関連した変化について評価し、剖出をはじめた。剖出は顎下部皮膚側よりおこない、顎二腹筋の走行を確かめた後、顎舌骨筋を観察し、筋の走行、筋束の状態、筋に入り込む神経や血管、および筋を通過する神経あるいは血管について評価中である。剖出の各段階でデジタルカメラにて特徴的な剖出所見を記録している。 一方で、ハーバード大学のDr.CurtinおよびPhramongkutklao病院(バンコク)のDr.Suwansa-ardに本研究に対してのアイデアや関連症例の画像提供などの研究支援を要請した。また本研究に先駆けて行っていた顎舌骨筋の上方を走行する舌神経を画像上で同定する試みをアメリカ頭頸部放射線学会にてポスター発表し、参加者より本研究に有益な意見や情報を得ることができた。さらに新潟大学の高木教授に、手術時の経験より顎舌骨筋と病変との関連についての有益な情報を得た。 次年度は顎舌骨筋の描出に最適なCTあるいはMRのプロトコールを検討する予定であるが、それについてはボランティアが必要であり、そのインフォームドコンセントのための書類を準備中である。
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