今回の研究の目的は現在利用可能なインターネット技術に加え『Webアニメーション』を加味して、従来の印刷物では不可能である動きを持つコンテンツを作成し、見て触って楽しみながら勉強ができるインタラクティブなマルチメディアテキストの構築を行うことである。すなわち放射線学領域においてWeb教材はX線写真とその説明のみになりがちであるが、本研究ではもう一歩進み、撮影法の動画による説明やアニメーションによるX線発生の原理、WWW上での自動採点を行う模擬テストなどを取り入れたWebサイトを構築する。 その為に今年度は1)コンテンツに必要な画像、動画をデジタルビデオカメラを用いて収集を行った。 2)グラフィックソフト、画像変換ソフトなどを用いてコンテンツに必要な動画、写真、図、説明文などを作製した。その際に著作権に配慮し、全てのコンテンツのイラスト、写真、文章などは研究者の完全オリジナルなものを作成した。 3)これらの材料からFLASHコンテンツを作製した。二等分法、パノラマ撮影法について撮影法の目的、原理、利点と欠点、写真上の解剖学的名称の学習がインタラクティブに学習が可能なコンテンツを作製した。 4)これらコンテンツが容易に使用できるようにHTMLにてサイトを作製してインターネット上に試験公開を行った。これらコンテンツを学生に利用させ、無記名のアンケートを行ったところ非常に好評であった。また、従来のWeb教育システムではコンピュータに不馴れな学生の利用が低いという報告もあったが、今回のシステムはほとんどコンピュータを使用したことが無い学生でも使いやすく、今後も使って行きたいという感想であった。
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