研究課題
保存修復分野においてもセラミックスインレー修復等各種審美に関する研究が行われている。そこで、IPS Empress IとCAPTEK(CAPTEK Precious Chemical Inc.)の鋳接を試み、従来の陶材焼付法との比較検討を行っている。今年度の日本歯科保存学会およびIADRにて研究成果の公表をした概要を以下に記す。本研究では、セラミックスの内面に貴金属薄膜コーピングCAPTEKを応用し、新たなセラミックスメタルの複合材料の開発を目標にその材料の物性試験、適合試験、接合界面の観察により、鋳接法・焼付法双方の場合におけるセラミックスに対するコーピング材の効果について検討した。(1)CAPTEKの引張り強度・伸び率は140±22MPa・8%であり、KIKと比較して有意差が認められた。(2)曲げ強さおよび破壊靭性はセラミックス単体、セラミックス鋳接試片および陶材焼付試片各々について検討した。荷重負荷がセラミックスの場合の試作複合体は鋳接・焼付両試片とも、単体の曲げ強さより有意に高かった。また、荷重負荷がメタルの場合の曲げ強さはセラミックスサイドより有意に低かった。破壊靭性値はセラミックス単体と複合体と比較して、有意差はあったものの、0.9±0.08〜1.57±0.06MNm^<-3/2>の範囲にあり、比較的安定した値であった。また、曲げ試験後の試片破壊様式はセラミックスがメタルから剥がれ分離する形状はほとんど見られなく鋳接でも焼付でも接合状態は良好であることが伺えた。(3)SEMによる界面観察ではUCPをCAPTEK表層に応用した場合、ギャップもほぼ無く良好な接合界面が観察された。また、EPMAによる観察ではセラミックスとメタルの接合に化学的結合に関与すると言われている元素は確認できなかった。(4)適合精度はCAPTEKにEmpressを鋳接したモデルでは、特にMODインレーの窩底に相当する部位において、Empress単体の適合性と比較して有意に適合性が悪かった。しかし、側壁に相当する部位において有意差は認められなかった。
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The 83^<rd> General Session and Exhibition of the International, American and Canadian Associations for Dental Research Abstructs Abstructs
ページ: Presentation#654
日本歯科保存学会誌 春季特別号(発表予定)
日本歯科保存学会誌 春季特別号
ページ: 107
日本歯科保存学会誌 秋季特別号
ページ: 86