研究概要 |
本研究において,8週齢Wistar系雄性ラット30匹を使用した.また実験群には亜鉛欠乏試験用飼料(オリエンタル酵母工業),コントロール群にはMF粉末飼料を用いた. 1.肉眼的所見 実験開始直後より2群において体重増加,摂餌量に差異を認めた.実験群の体重増加はコントロール群と比較すると緩徐な増加傾向であった.また実験開始3週目頃より実験群では体毛が立毛したり頚部において部分的な脱毛の認められるラットが出現した. 2.組織形態学的評価 実験開始後3,5,7週目に各群より5匹ずつ選択し,4%パラホルムアルデヒド固定液にて灌流固定後,舌を摘出した.それらの試料は通法通りパラフィンへ包埋後,有郭乳頭を含む部位にて前頭断に薄切し,パラフィン切片を作成した.それらのパラフィン切片にTUNEL法用いて解析を行った.実験開始3週目では実験群において味蕾内の味細胞また乳頭溝の側壁上皮内に存在する上皮細胞にTUNEL陽性細胞が確認された.それらの細胞中には細胞核においてクロマチン凝集によるアポトーシスの形態変化が認められる細胞が存在し,染色性においては強陽性所見を呈していた.実験開始7週目では実験群においてTUNEL陽性を呈する細胞は味蕾内で増加しており,コントロール群ではTANEL陽性を呈する細胞は散在する程度であった.また実験群においては有郭乳頭内の味蕾数は減少する傾向であった.
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