研究概要 |
本研究は機能水(オゾン機能水,電解酸性機能水,電解アルカリ性機能水の3種類)を義歯の洗浄・消毒剤として用いて,応用可能かどうかについて細菌学的に比較検討を行った. S.mutans,S.aureus,MRSA,C.albicansを約3.0×108CFU/mlに調整した菌液中に義歯床用レジンの試験片を浸漬,汚染し,各機能水にて各洗浄条件(条件1:オゾン機能水による前洗浄30秒間,後洗浄30秒間.条件2:オゾン機能水による前洗浄30秒間,後洗浄60秒間.条件3:電解アルカリ性機能水による前洗浄30秒間,電解酸性機能水による後洗浄30秒間.条件4:電解アルカリ性機能水による前洗浄30秒間,電解酸性機能水による後洗浄60秒間.条件5:電解アルカリ性機能水による前洗浄30秒間,滅菌蒸留水による後洗浄30秒間.条件6:電解アルカリ性機能水による前洗浄30秒間,滅菌蒸留水による後洗浄60秒間.条件7:滅菌蒸留水による前洗浄30秒間,電解酸性機能水による後洗浄30秒間.条件8:滅菌蒸留水による前洗浄30秒間,電解酸性機能水による後洗浄60秒間.条件9:滅菌蒸留水による前洗浄30秒間,滅菌蒸留水による後洗浄30秒間.条件10:滅菌蒸留水による前洗浄30秒間.滅菌蒸留水による後洗浄60秒間.)に従って洗浄後,検出された生菌数を測定した結果,条件1,2,3,4,5,6,7,8はすべての菌株においてコントロールである条件9,10と比較して生菌数の減少が有意に認められた,条件2,3,4,8はすべての菌株において検出限界(1.0×102CFU/ml)未満の生菌数の減少が認められた.条件1,5,6,7はすべての菌株において生菌数の減少が認められたが,検出限界以下ではなかった.最も短時間で生菌数の減少が認められたのは条件3であった.
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