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2003 年度 実績報告書

口腔癌の臨床病理学的悪性度に基づいたミニマムDNAアレイの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15791156
研究機関北海道大学

研究代表者

柏崎 晴彦  北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (10344516)

キーワード口腔癌 / DNAアレイ / p53遺伝子変異 / 遺伝的アルゴリズム / ニューラルネットワーク / 人工知能型解析
研究概要

近年,口腔癌に対する集学的治療法(手術・化学療法・放射線療法)が確立されてきて治療成績が向上している.しかし,各症例の組織型・・臨床病期がほぼ同一であるにもかかわらず,その化学療法や放射線療法に対する反応性は必ずしも同一ではなく,著しく予後不良な例に遭遇することがある.その一因として,各症例の腫瘍細胞が組織型・臨床病期以外にも,遺伝子変異の多様性によりそれぞれ固有の性質を有しており、これが治療抵抗性や予後に関与している可能性がある.
本研究の目的は,1)これまでに数千〜数万の遺伝子からなるDNAマイクロアレイでスクリーニングされた癌組織の遺伝子発現を解析して,口腔癌の生物学的悪性度,転移,薬剤・放射線感受性および予後などの指標となる遺伝子の組み合わせを行い,2)個々の遺伝子発現の組み合わせと臨床データとの関連を解析することにある.今年度は以下の成果を得た.
(1)高密度DNAアレイ(マイクロアレイ)で癌組織を解析した約25,000個の遺伝子に関するデータ(独自のデータ,論文発表されたデータ,インターネットで公開されているデータ)を基に口腔癌の個性診断のための候補遺伝子約1,289個を選別した.これらのcDNAをナイロン基板上にスポットしてDNAアレイシートを作製した.
(2)29例の口腔癌組織を使用した.酵母p53機能アッセイとシークエンス解析によりp53変異の有無を確認した.同時にDNAアレイ解析により遺伝子発現値のデータを取得した.各データを平均値で標準化し,p53変異群と非変異群で高い有意差を示す97個の遺伝子データを選択し,遺伝的アルゴリズムとニューラルネットワークを用いた人工知能型解析を行った.
(3)p53変異は29例中14例に認められた.97個の遺伝子を診断に重要な情報を含む特徴としてDNAアレイデータから選択した.その結果,p53遺伝子変異の有無を80-90%の識別率で診断することができた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yamazaki Y: "Specific p53 mutations predict poor prognosis in oral squamous cell carcinoma."Oral Oncol. 39(2). 163-169 (2003)

  • [文献書誌] Yamazaki Y: "Radioresistance in oral sqamous cell carcinoma with p53 DNA contact mutation."Am J Clin Oncol. 26(5). 124-129 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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