PRPは創傷治癒促進作用を有し、これは血小板中に含まれている細胞成長因子の作用によるもので自己血より採取可能で、生体に対して為害作用はなく有用である。そのPRPの抽出方法には施設によりPRP抽出に際し遠心分離による回転数の違いが多く、一致した使用法がいまだ確立されていない。今回申請者はPRPのPRP精製過程において、抽出時の遠心分離回転数の確立することを目的に実験を行った。成人男性を対象に採血を行い1次分離を500、700、1000、1500、2000、2500、3000の回転数と各回転数で1、3、5、10分で行いPPPとPRPに分離後PRP部に含まれる血小板数を算出した。結果、回転数500〜700、1〜5分で血小板数が有意に多く抽出できることが証明された。今後更に1次分離の回転数、遠心分離時間を詳細に分析していく。また1次分離後、2次分離における最適なPRPを抽出するための分離回転数、分離時間も同時に確立していく。PRPの抽出方法確立後はウサギを実験モデルとして上顎洞内に自家骨移植を行い同部に併用するPRPを精製過程におけるゲル化に対し自己血由来トロンビン、牛血清由来トロンビン、アルギン酸ナトリウムを用い各群の修復経過を光学顕微鏡を用いて組織化学的に検索していく。更に各移植群の上顎洞粘膜の修復経過、移植骨の修復経過に関しても検索を組織学的、組織形態学的、X線写真撮影、統計学的に行っていく予定である。
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