当教室では、平成6年より、4NQO誘発ラット舌扁平上皮癌細胞株を用い、転移実験モデルの開発を行っており、RSC3LM(血行+リンパ行性転移株)、RSC3E2R(血行性転移株)、RSC3E2(非転移株)の3株を樹立した。(第43回日本口腔外科学会総会、1998年、10月8日、長野にて発表) 次いで足蹠部移植による、高頻度リンパ節実験転移モデルを樹立した。(第58回日本癌学会、1999年、9月30日、広島、第44回日本口腔外科学会総会、1999年、10月7日、東京にて発表)本細胞株にGFP遺伝子を導入し自家蛍光を癸光させ、腫瘍細胞の可視化が可能となった(第21回口腔腫瘍学会2003年、1月31日沖縄にて発表)。これにより微小転移の検出が可能となり、現在微小転移モデルの作製および微小転移形成過程の解析を行っている。 また血管内被細胞を培養したチャンバー上に腫瘍細胞を播種させ、腫瘍細胞の運動・浸潤能について検討を行った。その結果高転移株では血管内被細胞の開裂をきたし、浸潤していくという結果が得られた(第48回日本口腔外科学会、2003年10月23日富山)。現在リンパ管内皮細胞の樹立を試みており、樹立後リンパ管内皮細胞の開裂に関して検討する予定である。さらにヒトリンパ管抗体を作製し、腫瘍原発巣でのリンパ管新生について免疫組織学的検討を行っている。
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