研究課題
ハイリスクの妊婦にキシリトールを用いて介入し、う蝕原性菌の母子伝播予防効果について検討した。得られた結果は以下のとおりである。1.介入前の妊婦の実態調査について(1)唾液中のMS数がハイリスクであった者は半数以上であった。(2)「現在、歯科医院を受診中である」と答えた者は1割未満だった。(3)喫煙習慣がMS菌数を増加させる可能性が示唆された。(4)ハイリスクの妊婦は、特定の食品の摂取頻度が高かった。(5)半数以上の妊婦が初産であった。第2子目以降の妊婦の方が初産の妊婦より有意にハイリスクであった。2.キシリトールによる介入研究について(1)介入3か月後の対照群では7人に1人、Xyl群では2人に1人がローリスクであった。キシリトールを摂取すると、母親はローリスクに転じやすい。(2)キシリトール摂取による副作用(下痢等)は、ほとんど生じなかった。(3)母親が妊娠期からキシリトールガムを摂取すると、子が9か月時以降にMS菌を保有する割合は、対照群よりも有意に低かった。以上の結果から、う蝕原性菌の母子伝播を予防するために、妊娠中から母親がキシリトールを摂取することは、primary-primary preventionの一方法として有効であることが示唆された。
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Finnish Dental Journal (発表予定)
小児歯科学雑誌 (発表予定)
Journal of Dental Research (発表予定)
Journal of Dental Research 84, Special issue A
ページ: #3200
小児歯科学雑誌 43巻2号
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International Journal of Paediatric Dentistry 15, Supplement 2
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歯科衛生士 29巻10号
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