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2003 年度 実績報告書

臍帯血由来幹細胞による軟骨および骨組織再生

研究課題

研究課題/領域番号 15791209
研究機関広島大学

研究代表者

本田 康文  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00335663)

キーワード臍帯血 / 間葉系幹細胞 / 軟骨 / 骨 / 再生 / 細胞分化 / 細胞増殖 / CD抗原
研究概要

当大学歯学部における倫理委員会の承認を得,以下の検討を行った.
広島大学医学部産婦人科にて帝王切開にて出産予定の産婦の臍帯血を対象とし,血液の提供に先立ち,本研究について患者に説明文書を用いて説明し,十分理解してもらった後,同意文書に署名・捺印してもらい,インフォームドコンセントを行った.
臍帯血は,臨床検査用のものを除いた約20mlを採取し,比重液(Histopaque-1077)を用いて,血球成分,血清成分および単核細胞層に分離した.その中でも,未分化間葉系細胞として単核細胞のみを抽出し,1x10^6cells/mlで播種し,a-MEM(20%FBS含)中で培養した.
1.細胞の接着,伸展および増殖について
細胞の接着,伸展および増殖を顕微鏡にて観察し,細胞形態を写真撮影した.
播種後,細胞がプレート底部に接着するためには約1週間を要し,接着した細胞は最初に播種した細胞数の約20〜30%程度であった.その後細胞は伸展をはじめ,細胞形態は線維芽細胞様を呈するものがほとんどであったが,中にはマクロファージ様の細胞も認められた.さらに,細胞は増殖を始めるも,播種後3〜4週間でピーク(50〜80%コンフルエント)を迎え,以降,増殖は認められず剥離してしまう細胞も認められた.このことから,増殖能は極めて低いことが示唆された.
2.未分化間葉系幹細胞マーカーの検討
ヒト臍帯血より単離した単核細胞をa-MEM(20%FBS含有)中で培養し,70〜80%コンフルエント時に,0.1%trypsin/EDTAにて細胞を剥離し,RNA Extraction Kitにてtotal RNAを抽出し,RT後,未分化間葉系幹細胞に特異的なCD抗原(CD34^-,CD29^+,CD44^+,CD105^+)の発現を検討するため,ヒトCD34(425bp),ヒトCD29(314bp),ヒトCD44(674bp),ヒトCD105(377bp)およびヒトG3PDH(799bp)のプライマーを用い,94℃:5min,(94℃:30sec,60℃:1min,72℃:1min),4℃:7min,4℃:∞の条件で,PCRを行った.
その結果,造血系幹細胞に特異的なCD34抗原の発現はほとんど認められず,間葉系幹細胞に特異的なCD29,CD44,CD105抗原がいずれも発現することが明らかとなり,採取した幹細胞が間葉系の性質を持つことが強く示唆された.
3.細胞外基質コートが臍帯血由来間葉系幹細胞の接着,増殖に及ぼす影響.
培養ウサギ滑膜細胞がコンフルエントになった後に,0.5% Triton X-100にて30分間インキュベートし,細胞のみを除去した後,臍帯血由来間葉系幹細胞を播種したところ,接着する細胞が多く,増殖能も上昇する可能性が示唆された.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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