研究概要 |
1.厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」の結果から、平成2年から12年までの過去10年間の歯科医師の性別年齢階級別就業率および施設・業務の種別にみた構成割合、女性歯科医師の無職の割合などの年次推移を分析し、女性歯科医師の歯科医療の従事状況について検討した。 (1)平成2年における歯科医師の男女別の構成割合は、男性は86.2%、女性は13.8%であり、平成12年では男性は83.3%、女性は16.7%で、女性り占める割合は増加している。特に29歳以下では女性の割合が高くなっており、平成2年は21.6%であったのに対し、平成12年は36.6%となっている。 (2)平成12年の年齢階級別就業率は、どの年齢層においても男性よりも女性の方が若干就業率は低く、特に60歳以上では男性よりも女性の方が、就業率の低下が著しかった。 (3)医師と歯科医師との就業率を比較すると、歯科医師の方が就業率は低く、男性と女性では女性の方が低かった。また女性医師と女性歯科医師を比較すると、女性歯科医師の就業率は年次的に減少傾向年あった。 (4)女性医師と女性歯科医師の無職者の割合は、平成12年は、女性医師は1.0%であるのに対し、女性歯科医師は2.1%であり、女性歯科医師は女性医師の約2倍であるが、その割合は年々減少傾向にある。 (5)施設・業務の種別にみた女性歯科医師の構成割合について平成2年と平成12年とを比較すると、診療所の開設者に占める女性歯科医師の割合は減少していた。しかし病院および診療所の勤務者やその他の業務に従事する者は増加していた。 2,女性歯科医師の就業状況の実態を調査するために、50歳前後の女性歯科医師を対象にアンケート調査を行った。回収率は56.5%であり、現在開業している者が多く、仕事と家庭を両立していく為には周囲の理解と協力が必要であるが、家事・育児の経験が仕事に生かせることも多く、歯科医師は職業的に女性に適しているとの回答が多かった。
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