本研究では、基礎看護学教育の課外プログラム(Webページを利用した学習支援)による、(1)基礎的な情報リテラシーの反復体験による習得、(2)基礎看護学の補完的・発展的学習支援、(3)グループ活動やWeb上での交流による意思決定・問題解決能力や人間関係スキルの育成、の3点を目指している。 平成15年度はプログラムの骨格を形作るための基礎研究を行い、平成16年度は、具体的なプログラム内容・方法の計画を検討した。 基礎看護学の科目担当教員と相談を重ね、「排泄の援助」の課外学習に設定することにした。排泄の援助のもつ特性(援助に迅速さが要求されること、心理的配慮と確実な技術が不可欠であること)に対して、学習を単なる知識・技術としてだけでなく情意領域・認知領域からも深めるには課外学習が有効と考えられたためである。 まず基礎看護学およびコンピュータリテラシーの学習としての課題内容、グループ作業の体験としての課題内容が、合目的であり教員・学生双方にとって無理がないこと、課題の教示方法・内容が適切であること、質問紙等の調査内容と調査方法が適切であること、Webサイトがスムーズに運用されることを確認するため、平成16年5月〜7月にプレテストを実施した。プログラム内容は、これまでと同様の事前課題に加える形で、グループ作業とWord、Excelによるレポート作成、およびWeb上で発表されるそのレポートに対しての電子掲示板での全員での意見交換という2つの事後課題とした。 学生・教員双方から「排流の援助」でのプログラム実施が有意義であったと評価が得られた。さらに学部教員全体での検討会で内容・方法への意見をもらい、学生・教員双方の負担度も考慮してプログラム内容・方法の精錬をすすめた。これに基づき、平成17年度にプログラムを本格運用する予定である。
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