平成16年度においては、前年度の計画を引き継ぎ研究を進めた。 平成15年4月と7月に実施した調査の追跡として、平成16年4月に同内容の調査を行った。対象者は従来通りで兵庫県内の4箇所の病院に従事する看護者である。各調査ごとに改めて各調査施設の看護部(場合によっては病院長)に対して調査の目的、内容を説明し協力を得た。調査は同意の得られた対象者についてのみ実施した。 昨年度7月に行った調査で得られた回答はすでにデータ入力およびコーディングを終え、集計作業を済ませている。この分の解析結果の特徴(横断調査の結果)として、医療事故体験をしている者では体験していない者と比較して、GHQの合計得点、努力-報酬不均衡モデル調査票の「努力」「オーバーコミットメント」の得点が有意に高く、ストレスフルな状況にあることが明らかになった。また、医療事故とまでは至らなかったが、「ヒヤッとしたハッとした」体験のある者でも同じような結果が得られた。これらの結果については、平成17年8月に岡山で開催される第2回仕事とストレスに関する国際会議において学会発表する予定である。 平成16年4月に実施した調査についても、データ入力およびコーディングの作業を終え、集計作業をほぼ済ませている。その作業が最終的に終わり次第、前回調査分とあわせて、協力していただいた対象者の方々に個別結果の報告を文書にて行う予定である。 平成17年度に実施予定にしている調査については、各施設と目下検討中であり、了解が得られ、調査時期の調整が済み次第、行う予定にしている。平成17年度には、単なる横断調査としての解析にとどまらず、縦断調査としての解析を試みる予定である。
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