研究課題
1.調査の実施実施予定施設の倫理委員会より承認を得た。その後、調査を開始し、症例を集積している。2.文献検討の追加本研究対象のQOLについてさらに理解を深めるため、これまでとは違う視点での文献検討を追加した。視点は、ストーマ造設患者のQOLに関して非ストーマ造設患者と比較検討するというものである。その結果、以下のようなことが示された。・これまで、直腸癌におけるストーマ造設患者のQOLは高くはないとされ、ストーマ造設を回避し、肛門括約筋温存・超低位前方切除術(ULAR : ultra low anterior resection)実施という流れにあった。・昨今、ストーマが造設された場合でもQOLが劣らない可能性があるという報告がされている。しかしこの結論は、研究がまだ十分蓄積されていないこともあり、明確な結論をみたとは言いがたい状況にある。・今後の課題として、使用尺度や測定時期の検討等が指摘されている。本研究は、直腸癌によりストーマが造設された患者のQOLについて、術前から退院後1年間までを縦断的に記述することを試みているものである。上述のような内容が背景としてある中、本研究は貴重なデータを提供できる可能性があり、この点で本研究の意義が再確認されたと考える。3.参照データの解析本研究の対象のQOLについてさらに理解を深めるため、ウロストミーの方を対象にSF-36を用いた際のデータについて、昨年度と同様の解析を行った。その結果、ウロストミーの方のQOLは、コロストミーの方とは違う特徴を有することが伺えた。今回の解析結果は、ウロストミーの方のQOLについて現況を記述するという点で、一定の意義を有するものと考える。詳細については、公表に向け、現在、準備中である。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (1件)
Journal of Wound, Ostomy and Continence Nursing (印刷中)