当初の予定よりも対象者を得ることが難しく、面接が行えた入数が4名となった。そのため、引き続き対象者を得て面接を行う予定であるが、現時点の分析経過を示す。 【対象者】本研究への協力に同意が得られた外来化学療法を受けているがん患者4名 【データ収集及び分析方法】平成15年9月〜12月の間に、半構成的質問紙を用いた面接を1〜2回/人(平均100分/回)行った。テープレコーダーに録音した面接内容から逐語録を作成し、それらを質的帰納的に分析した。 【結果】外来化学療法を受けているがん患者は、目標とする健康状態として<がんを身体内から消失させ生きること>を目指していた。ヘルスプロモーションとして<自分にとり唯一の治療法である化学療法を万全の状態で確実に受ける>、<化学療法により生じる副作用に対して自分なりに対処する>、<見えない身体内にあるがんの状態を判断する>、<自分なりに情報を収集する>、く自分なりに症状の原因を考える>、<がんに効くと言われている自分でできることは何でも挑戦する>、<身体に良いと言われていることは何でも挑戦する>、<死について考える>、<がんのことを考えずに普通にいる>、<家族を一番の心の支えとする>、<家族には心配をかけないように常に元気な自分でいる>の11が抽出された。外来化学療法を受けるがん患者のヘルスプロモーションの中でも<自分にとり唯一の治療法である化学療法を万全の状態で確実に受ける>は、一回一回の化学療法が患者にとっては命をかけた治療であり、最も重要なヘルスプロモーションと考えられる。また、外来化学療法を受けるがん患者は、効果的・非効果的であるに関わらず、医療者のサポートを得るよりもまずは"自分なりに"試行錯誤していることが推察される。引き続きヘルスプロモーションに影響を及ぼす要因を明らかにし、外来化学療法を受けるがん患者のヘルスプロモーションを促進させる看護介入について検討していく。
|