研究概要 |
チーム医療からみたセデーション施行判断基準とケアに関するガイドラインの作成と評価 目的:本研究はがん対象者にセデーションを施行する際の判断基準とケアについて,倫理的な判断も含め,治療やケアの初期段階から対象者やその家族と相互決定していく事が可能なガイドラインを作成し,臨床的妥当性及び有用性を評価する事である. 方法:研究期間は平成15年から3年間のプログラムで行う。1.文献検討2.文献検討をもとに現在,緩和ケアに携わっている医師,看護師,薬剤師100名を対象にアンケートを行う.内容は主にセデーションに関する適応基準やケア,施行判断における葛藤などを含む36項目である.がんに病む対象者およびその家族に対してはホームページを開設し,セデーションに関する認識について問う16項目のアンケートを行う. 結果:米国の州によってはアドバンスディレクティブ(事前指示)について,患者本人の医療行為の意志決定や選択を尊重するシステムがとられてきている。日本ではセデーションの適応や時期の妥当性およびシステムなど統一化されたものはみあたらない。鎮静に関する全国実態調査によると,鎮静の実態は施設による差や医療者の価値観や医療行為の差異の影響が大きく,鎮静開始についてチームでの検討や複数の医師の合意を得るなどの方法を検討していく必要性が示唆されている^<1)>。本研究のアンケートについては現在,便宜的に緩和ケアチームもしくは緩和ケア病棟を有する3施設およびホスピス1施設にスタッフ向けのアンケート60部を配布し26部が返送されている.がん対象者および家族を対象としたホームページでの調査についてはアンケートの作成が完成し,平成16年3月中旬から実施予定である. 1)森田達也 苦痛緩和のための鎮静:全国実態調査(速報),ターミナルケア13(6),437-442.2003.
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