研究概要 |
在宅療養生活を送る患者とその家族らが,直接的に医療者の援助を受けられない状況においても,安全かつ安楽な介護,そして生活上の安心を確保するために,療養者および家族介護者の求める情報を随時提供できるようなインフラの整備が必要である. 本研究は,IT技術を活用した遠隔看護システムの一部としてのCAI(Computer Assisted Instruction)教材開発を視野に含んでおり,その目的は,介護者の理解を促進させ円滑な介護の実践をもたらす情報配信システムのあり方を検討するための基礎的資料を得ることにある. 今年度は,配信される情報の基準となるCAI教材の作成準備として,以下のことについて検討した. 1.ヒトの動きの視覚的認知において,動作者の表情,姿勢などの身体特性が,観察者個々の視覚情報処理に影響を与えることが知られている.したがって,実写版の演技者特性による被験者間差を軽減させるために,実写をCG(Computer Graphics)へ変換する手段について,動作解析やCG作成アプリケーションを用いて検討している.現在は,これまでに撮影した画像をもとに,試作版を作成している段階にある. 2.基準画像のCG作成において,3次元動作解析およびその表示の正確性を追求するために,一方法として,モーションキャプチャーの利用可能性を検討した.しかしながら,援助者および患者の両者の動作を同期させながら解析することには困難を要することがわかった.
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