【研究目的】 地域在住の認知症高齢者へのアクティビティケアプログラムを開発し、認知症の類型等に適した介入方法を明らかにする。 【研究協力者】 京都府K町「軽・中等度認知症リハビリ事業」に参加する77歳〜87歳の認知症高齢者10名(AD6名、VD1名、DLB1名、混合型2名)。MMSEスコアは14点〜24点と、中等度〜軽度の認知症ステージに該当した。 【研究方法/分析】 1.平成15年〜16年度の結果から、地域在住の認知症高齢者への効果的なアクティビティケアプログラム内容の構成要素を明らかにした(これについては、アイオワ大学看護学部で指導を受けた)。 2.介入方法の明示化 「痴呆性老人・健康生活スケール」の減点項目を分析し、地域在住の認知症高齢者へのグループアクティビティケアの介入方法を考案した(これについては、認知症看護専門/老人看護CNSの助言を得た)。 【研究結果と考察】 1.認知症高齢者への効果的なアクティビティケアプログラムの構成要素について 認知症高齢者への効果的なアクティビティケアプログラムの構成要素として、1)1回完結型、2)参加者が意思決定できる仕組みがある、3)身体活動と思考活動を兼ね備えている、4)プログラム内容が実施時期に沿っている、の4点が重要であることが分かった。 2.介入方法について 認知症高齢者にグループ形式のアクティビティケアを展開する際は、記憶力、集中力、理解力の低下に応じ、1)1グループは10人まで、2)"なじみの関係"を利用した配置、3)言語、視覚、触覚、味覚を用いて理解できるテーマの提示、4)プログラム実践では「何をするのか、何をしたのか」を説明する、という4点が重要であると分かった。しかし、「痴呆性老人・健康生活スケール」の結果では、アクティビティケアで多様な力を発揮する認知症高齢者ほど、家族は日常生活との差異を感じており、認知症高齢者が地域で暮らす上で、環境の作り方や認知症の捉え方と介護について、家族に教育、指導を並行して行うことの重要性が明示された。
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