研究課題
3年計画の初年度にあたる本年は、全体研究会を開催し、これまでの研究成果について改めて検討するとともに、研究の現場が直面している問題点やそこで起きている変化、必要とされる政策のあり方などについて議論を行った。同時に、以下の3点について具体的な作業を行った。1.先行調査の再分析平成12-14年度科研費『研究資源の供給と研究成果との関係についての調査研究』のなかで実施した調査のデータを活用し、研究人材養成にかかわる政策のあり方について、新たな視点からデータ分析を実施した。分析結果の一部については、研究・技術計画学会第18回年次学術大会にて研究発表を行った(「研究指導者からみたポスドクと大学院生」)2.内外の政策動向の把握これまでの関連研究および他の研究や科学技術・学術審議会等での議論の動向を踏まえ、現時点で関係者が把握している問題点および今後の政策の方向性について、体系的に整理を行った。国際的な視点からは、OECD科学技術政策委員会における議論の最新動向の把握や、外国事例の調査研究の一環として中華人民共和国を対象とする訪問調査を実施した。3.大規模アンケート調査の準備平成16年度の実施を予定している大規模アンケート調査の設計に着手した。学術研究活動のボーダレス化という大きな流れの中で、研究者個人(グループ)と所属機関との関係のあり方【中間集団としての大学】、評価主体や評価の場のあり方【評価項目と研究の質との合致/乖離】、(短期的)業績評価時代の知識基盤整備の可能性、などの観点から、検討作業を続けているところである。