研究課題
三陸大槌湾の潮汐残差流の季節変化として春から秋までの成層がある時期は湾口北岸から流入し、南岸から流出する反時計回りの循環が基本場であり、秋から春の混合期には季節風の影響で鉛直循環が卓越している。また10日のオーダーで海水交換が生じていることも明らかになった。ベトナム北部汽水域より分離した底性珪藻Nitzschia navis-varingicaにドウモイ酸の生産を認めた。次に同種が我が国三陸沿岸から沖縄、フィリピンなお東南アジアの熱帯域まで広く分布することを明らかにした。さらにフィリピンで採取した同種はドウモイ酸ばかりでなくその誘導体を持つことが明らかになった。これはドウモイ酸およびその関連物質が世界の海洋に広く分布することを示す。そこで、ドウモイ酸に対する特異抗体を開発し、これをもとにドウモイ酸の簡易測定用ELISAを作成して熱帯域における貝類のドウモイ酸をスクリーニングし、フィリピンで行った調査において、Spondylus属の二枚貝が特異的に顕著な量のドウモイ酸を蓄積することを見いだした。有害化学物質(有機塩素系化合物、有機スズ化合物)、重金属類による海洋汚染の調査を海の哺乳類、魚類、甲殻類などを用いて実施した。バイカルアザラシ、イシイルカなどに蓄積している重金属の蓄積特性を明らかにした。甲殻類ワレカラを使用して、有機スズ化合物およびダイオキシン類による自然界の濃度レベルでも、生残率の低下、形状異常、性決定の混乱が確認された。イルカのリンパ細胞を使用して、有機スズ化合物およびダイオキシン類による自然界レベルの暴露実験を実施し有機スズ化合物の方がダイオキシン類より大きいという、人と同様の結果を得た。カスピカイアザラシ、バイカルアザラシおよび北極海のワモンアザラシから人由来のインフルエンザA型ウイルスが検出され、また、日本沿岸のイシイルカやヒゲクジラ類からもインフルエンザA型ウイルスが感染率は低いが検出された。
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