研究課題/領域番号 |
15F14741
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
中村 正彦 北里大学, 薬学部, 准教授 (30155858)
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研究分担者 |
OVERBY ANDERS 北里大学, 薬学部, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2015-04-24 – 2017-03-31
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キーワード | イソチオシアネート / 胃癌 / 胃マルトリンパ腫 / Helicobacter heilmannii / p53 |
研究実績の概要 |
さまざまな悪性新生物に対する抑制作用をもつことが知られているイソチオシアネート(ITC)の、胃粘膜に最も高頻度に発生する胃癌、胃マルトリンパ腫に対する作用を検討した。 Helicobacter heilmannii長期感染による胃MALTリンパ腫モデルにおいては、ITC前投与、後投与いずれの群でもリンパ腫の減少が観察された。組織化学的には微小循環系の減少が認められた。さらにその際にqPCRを施行した結果、約20種類の遺伝子の変化が確認された。 胃癌化学療法との関係では、胃癌培養細胞へのシスプラチン投与に対するITCの効果を検討中である。何種類かのITCを数種の胃癌培養株に対して効果を検討した結果、p53, グルタミン/グルタミン酸レベルが変化することが明らかのとなり、その機序について分子生物学的に検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
化学療法としてのITCの意義について胃マルトリンパ腫モデルおよび胃癌細胞を用いた検討ともに順調に進行している。胃マルトリンパ腫についてはin vivoの実験系で、胃癌については培養細胞を用いて、ITCの効果について検討している。いずれも抑制効果が明らかとなっており、その機序についても解明されつつある。
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今後の研究の推進方策 |
cisplatin投与による癌、マルトリンパ腫に対する効果について検討するため、マルトリンパ腫形成マウスに経尾静脈的にcisplatinを投与し、その相乗効果について検討する。 さらにHelicobacter heilmannii長期感染マウスで観察された唾液腺、涙腺腫脹、リンパ球浸潤についてその機序およびITCの効果について検討する。さらに、Helicobacter heilmanniiの培養が、ベルギーGhent大学との共同研究で可能になったことから、菌に対する直接作用についても検討する。
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